リチャード・ドイル 挿絵・風刺画
  イングランドのロンドン生まれ。愛称ディッキー。父ジョンは油彩画家であったが家族を養うために風刺画も多数描いており、そんな父から家庭で独自の英才教育を受けて、正規の美術教育は受けずに育った。父は息子に屋外でのスケッチをさせず記憶だけを頼りにして絵を描かせるという独特な教育方法をとり、これが彼の幻想性を養う切っ掛けになったと思われる。1843年に19才の若さで風刺画雑誌「パンチ」でデビューし、ジョン・リーチと並ぶ人気画家として1850年まで活躍した。それ以降は挿絵の仕事に専念し、ユーモラスで愛らしい妖精たちを個性的なタッチで描き続けた。ウィリアム・アリンガムの詩を添えて世に出した「妖精の国で(1870)」は多色木版の贅を尽くした大判の大変美しい本で、今なお古書収集家に人気が高い。作家のアーサー・コナン・ドイルは彼の甥にあたる。  
Richard Doyle(1824-1883)
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「妖精の国で」より


ディケンズ「鐘の音」より

多色木版の美麗な絵本「妖精の国で」(In Fairyland)で有名なリチャード・ドイルですが、私は「パンチ」に掲載された数々の滑稽な装飾頭文字がとりわけ好きです。肩肘はらずに描いたであろうこれらの絵にこそ彼の個性がより出ているような気がしてなりません。

「パンチ」掲載の装飾頭文字(↓)。クリックすると拡大画像を見ることができます。



絵本・挿絵本
妖精の国 複刻世界の絵本館オズボーン・コレクション(ウィリアム・アリンガム文/ほるぷ出版/1979)
妖精の国で ちくま文庫(ウィリアム・アリンガム文/矢川澄子訳/筑摩書房/1988)
黄金の川の王さま 妖精文庫(ジョン・ラスキン他文/青土社/1999)
※表題作を含むアンソロジー。
挿絵の中のイギリス 叢書イギリスの思想と文化(富山太佳夫編訳/弘文堂/1993)
A Tale of Fairyland (The Princess Nobody)
※アンドリュー・ラングの「いないいない姫」(ドイルの「妖精の国で」の挿絵が使われている)
The King of the Golden River 黄金の川の王さま
Jack the Giant Killer 巨人殺しのジャック
Fanciful Victorian Initials: 1,142 Decorative Letters from Punch
※「パンチ」掲載の装飾頭文字を集めた画集。ドイル以外の画家の絵も載っているが、ドイルの絵が結構多めなのでお勧め。

画集・評伝・関連書籍
ヴィクトリア朝挿絵画家列伝 ディケンズと「パンチ」誌の周辺(図書出版社/1993)
イギリス絵本論(翰林書房/1994)
※ドイルの「妖精の国で」の挿絵をアンドリュー・ラングが解体して「いないいない姫」へと組み立てていった経緯が解説されている。
もうひとつのイギリス児童文学史 「パンチ」誌とかかわった作家・画家を中心に(翰林書房/2004)

リチャード・ドイルのポスター

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ジョン・ラスキン「黄金の川の王さま」より

 

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